登録基幹技能者のイラストと専任技術者要件の説明を示す建設業許可のアイキャッチ画像

建設業許可の取得を考えたとき、「専任技術者の確保」が大きなポイントになります。その中でも、特定の職種で実務経験を積み、マネジメント能力に優れた熟練者が取得できる「登録基幹技能者」の資格は、専任技術者の要件を満たす有力な選択肢です。

この記事では、登録基幹技能者とは何か、どのような要件で専任技術者として認められるのか、注意点やよくある誤解を交えながら、わかりやすく解説します。

登録基幹技能者とは?

登録基幹技能者とは、平成20年1月に改正された建設業法施行規則にもとづき、国土交通大臣の登録を受けた機関が実施する「登録基幹技能者講習」の修了者を指します。

熟達した作業能力と豊富な知識をもち、なおかつ、建設現場でのマネジメント能力や指導力を備えた「現場の要」となる技能者です。

【出典】(一財)建設業振興基金「登録基幹技能者とは」

現在(2025年4月時点)では、47職種において登録基幹技能講習の制度が設けられています:

職種登録基幹技能講習の種類実施機関
機械土工登録機械土工基幹技能者(一社)日本機械土工協会
電気工事登録電気工事基幹技能者(一社)日本電設工業協会
鳶・大工登録鳶・土工基幹技能者(一社)日本建設躯体工事業団体連合会、他1団体
型枠登録型枠基幹技能者(一社)日本型枠工事業協会
内装仕上工事登録内装仕上工事基幹技能者(一社)全国建設室内工事業協会、他2団体
鉄筋登録鉄筋基幹技能者(公社)全国鉄筋工事業協会
配管登録配管基幹技能者(一社)日本空調衛生工事業協会、他2団体
建設塗装登録建設塗装基幹技能者(一社)日本塗装工業会
建築板金登録建築板金基幹技能者(一社)日本建築板金協会
造園登録造園基幹技能者(一社)日本造園建設業協会
左官登録左官基幹技能者(一社)日本左官業組合連合会
防水登録防水基幹技能者(一社)全国防水工事業協会
土工登録土工基幹技能者(一社)日本機械土工協会
など(その他の職種略)。

※令和6年3月末時点での47職種の有資格者数は約8万6千人
※上表は、有資格者数の多い順に13職種を抜粋。

【出典】登録基幹技能者制度推進協議会/(一財)建設業振興基金「登録基幹技能者有資格者数、講習実施団体、受講要件」

この登録制度は、各職種の登録基幹技能者講習実施機関の認定講習を経て資格認定されるもので、現場での長年の経験と専門知識を有していることが前提です。

※有効期限は5年で、5年ごとに更新(更新講習の受講)が必要となります。


登録基幹技能者講習の受講要件

登録基幹技能者講習を受けるには、一定の要件(実務経験・資格)を満たす必要があります。

▼ 主な要件:

以下のすべてを満たす必要があります。

  1. 実務経験10年以上
  2. うち職長経験3年以上
  3. 最上級の技能者資格(1級技能士等)の保有

▼ 建設業許可の専任技術者との関係は?

登録基幹技能者講習修了者には、「登録基幹技能者講習修了証」が発行されます。

講習修了証には、「実務経験を有する建設業の種類」(~~工事業)と「工事業の種類」が記載され、その業種の専任技術者として認められます。

登録基幹技能者講習の講習修了証

たとえば、登録基幹技能の資格(一部抜粋)と、これに対応する建設業種は以下の通りです。

登録基幹技能の資格の種類専任技術者として認められる建設業種
登録機械土工基幹技能者とび・土工工事業
登録電気工事基幹技能者電気工事業、電気通信工事業
登録鳶・土工基幹技能者とび・土工工事業
登録型枠基幹技能者大工工事業
登録内装仕上工事基幹技能者内装仕上工事業
登録鉄筋基幹技能者鉄筋工事業
登録配管基幹技能者管工事業
登録建設塗装基幹技能者塗装工事業
登録建築板金基幹技能者屋根工事業、板金工事業
登録造園基幹技能者造園工事業
登録左官基幹技能者左官工事業
登録防水基幹技能者防水工事業
登録土工基幹技能者とび・土工工事業
など(その他の業種略)。

※複数業種の専任技術者として認められるためは、その複数の業種が講習修了証に記載されている必要があります。詳細は、必ず申請先の都道府県の建設業許可申請の手引きをご確認下さい。

※複数業種が取得できる登録基幹技能であっても、1つ取れば自動的に複数取得できるわけではなく、他の業種の実務経験が必要。
(例:「登録電気工事基幹技能者」で”電気工事業”の講習を受けたら、自動的に”電気通信工事業”が講習修了証に記載されるわけではない。”電気通信工事業”での実務経験が10年以上となって、初めて”電気通信工事業”も可となる。)

注意

建設業許可の専任技術者として認められるのは、登録基幹技能者の講習修了証に記載された工事業(建設業種)のみです。他の業種では認められませんので、注意しましょう。


登録基幹技能者になる方が、他の資格を取るよりも簡単?

実務経験10年以上(うち職長経験3年)+公的資格が必要なため、専任技術者として認められる国家資格と比して、難易度が下がるわけではありません。

たとえば、「登録電気工事基幹技能者」の認定講習の受講資格は、実務経験10年(うち3年以上の職長経験(安衛法の職長教育を修了していることも含む))、第一種電気工事士免状です。第一種電気工事士免状は、その資格単体で電気工事業の専任技術者としての要件を満たしますので、「登録電気工事基幹技能者」の方が容易、とはなりません。

【出典】一般社団法人 日本電設工業協会「認定講習について」より

検討する価値がある

一方で、登録基幹技能者講習の受講に必要な公的資格の種類がいくつかあり、その資格単体では専任技術者としては認められないものの、登録基幹技能者にはなれる、というケースもありますので、選択肢のひとつとして、検討する価値があります。

例:「登録機械土工基幹技能者」の受講に必要な公的資格は以下の5種類のいずれか

  • 優秀施工国土交通大臣(旧建設大臣)顕彰者
  • 建設機械施工技士、施工管理技士(土木、建築及び管工事並びに造園)
  • 職業訓練指導員(土木施工、建設機械運転及び整備)
  • 建設機械整備技能士
  • 技能講習修了者(所定の技能)

【出典】一般社団法人 日本機械土工協会電設工業協会「別表‐1 登録機械土工基幹技能者講習受講に必要な公的資格一覧表

自身が取得したいと思っている建設業許可業種の「登録基幹技能者講習の受講要件」を確認しておくことが大事です。

特に、登録基幹技能者講習を受講する際の実務経験の証明において、各年の現場の請求書や入金確認書類などは不要なため、建設業許可申請における「専任技術者の実務経験の証明」(裏付け資料として契約書・請求書・入金確認資料等が必要)より、書類準備のハードルが低いです。

※必ず、登録基幹技能者講習の受講前に申し込み要項をご確認下さい。


まとめ|登録基幹技能者は現場経験を活かせる有力資格

登録基幹技能者は、建設業界で長年の経験を積んできた技能者にとって、建設業許可の専任技術者として認められる大きなチャンスです。

<登録基幹技能者の利点>

  • 単体で専任技術者として認められない「公的資格」でも、登録基幹技能講習を受けることで、専任技術者になれる可能性がある
  • 登録基幹技能者として認定されれば、建設業許可申請時の実務経験の証明は不要。
  • 経営事項審査(公共工事の入札)での加点対象となる。

ただし、登録されている職種と取得したい建設業許可の業種の対応、実務経験年数の要件、公的資格の要件など、事前に押さえておくべき点も多々あります。

取得済みの方や取得を検討している方は、「専任技術者として使えるかどうか」を事前に確認することが重要です。

ご自身の状況で「登録基幹技能者が使えるか知りたい」、「建設業の許可申請をお願いしたい」という方は、お気軽に当事務所までご相談ください!


行政書士 山口

神奈川県・東京都を中心に、新規許可申請・各種届出を承っております。ご相談・お見積りは無料ですので、お気軽にご連絡ください。

当事務所が選ばれている理由

  • 業界最安水準/返金保証制度:建設業許可申請 100,000円(税込)~で承ります。万が一、不許可になった場合には、費用を全額返金します。
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投稿者プロフィール

山口 晃
山口 晃
神奈川県を拠点に活動する行政書士
「役所の手続きって面倒でよくわからない…」そんな建設業者さまのために、スムーズでわかりやすい許可取得をサポートしています。
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現場と法律の間に立ち、信頼できる“身近な専門家”でありたいと思っています。