
建設業界では、技能者の高齢化、人材不足、そして技能の継承といった課題が年々深刻化しています。こうした課題に対応するため、国土交通省が主導するかたちで導入が進められているのが「建設キャリアアップシステム(CCUS)」です。
この記事では、CCUSの導入背景や目的、制度の概要、登録内容などの現状について中心に解説し、最後に「CCUS登録行政書士」についても触れています。
- 1. 建設キャリアアップシステム(CCUS)とは?
- 1.1. ▼ 主な制度目的
- 1.2. 現在の利用状況
- 2. なぜCCUSが注目されているのか?
- 2.1. 1. 国の建設人材政策の中核として位置付け
- 2.2. 2. 公共工事や大手企業での登録促進が進む
- 2.3. 3. 建設業界全体の「デジタル基盤」として整備
- 3. CCUS登録の概要
- 3.1. ■ 主な登録内容
- 3.2. ■ 登録費用
- 4. CCUSの効果と期待されるメリット
- 4.1. 技能者側のメリット
- 4.2. 企業側のメリット
- 5. 行政書士が関わる場面とは?
- 6. CCUSの登録に関する参考情報
- 7. まとめ|建設業界の未来を支える「共通インフラ」へ
建設キャリアアップシステム(CCUS)とは?
建設キャリアアップシステム(Construction Career Up System、通称CCUS)とは、建設技能者の保有資格や現場での就業履歴などをクラウド上で一元管理し、技能者の処遇改善とキャリア形成を目的とする国土交通省主導の制度です。(出典:国土交通省「建設キャリアアップシステムの目的」)
2019年年度に開始されたシステムで、運営主体は一般財団法人建設業振興基金です。
▼ 主な制度目的
- 技能者の能力・就業履歴の「見える化」
- 賃金水準の適正化と処遇改善
- 技能継承の促進と人材確保の基盤強化
- 外国人技能者の適正な管理・運用
このシステムでは、技能者本人の情報(本人情報・技能・保有資格・社会保険加入状況等)が登録された「CCUSカード」が発行されます。「CCUSカード」は各技能者ごとに発行され、技能レベルによって4段階(レベル1~レベル4)に区分されています。各技能者が「CCUSカード」を就業時にカードリーダー等に読み取らせることで、技能者の就業履歴についても蓄積される仕組みとなっており、本人のキャリア形成だけでなく、技能者の所属する建設業者ごとの評価にも役立っています。
<建設キャリアアップシステム(CCUS)の仕組み>(出典:(一財)建設業振興基金作成パンフレット「建設事業者向け(リーフレット、A4)」

現在の利用状況
2025年1月末時点での技能者の登録数はおよそ160万人(建設業技能者の2人に1人以上が登録)、事業者の登録数は約28.6万社となっており、年々増加しています。現場での利用状況(就業履歴数)も増加傾向にあり、今後も利用が増えると推定されます(出典:国土交通省「建設キャリアップシステムの利用状況(2025年1月末)」)。
なぜCCUSが注目されているのか?
1. 国の建設人材政策の中核として位置付け
CCUSは、2019年以降、国の建設業振興政策の一環として推進されています。技能労働者の高齢化、若手入職者の減少、長時間労働等の建設業界の構造的な問題がある中で、業界の持続可能性を高める基盤インフラとして期待されています(出典:国土交通省「建設業を取り巻く現状と課題」)。
2. 公共工事や大手企業での登録促進が進む
2023年度以降、国や自治体の公共工事において、CCUS登録済の技能者数を評価基準に含める傾向が強まっており、大手ゼネコンなども協力会社に登録を求める動きが拡大しています(出典:国土交通省「CCUS 利用拡大に向けた3か年計画(概要)((令和6年7月)))。
3. 建設業界全体の「デジタル基盤」として整備
技能者一人ひとりのキャリアデータが記録されることで、就業履歴の証明や技術力の評価が客観化され、技能評価制度や賃金テーブルの整備にもつながるとされています(出典:国土交通省「建設キャリアアップシステムの目的」)。
CCUS登録の概要
技能者(本人)と事業者(企業)の両方の情報を連携して登録を行うことで、現場の従事履歴をリアルタイムで蓄積・活用できる仕組みです(出典:(一財)建設業振興基金「建設キャリアアップシステムの概要)。建設業許可の有無にかかわらず、登録することができます。
■ 主な登録内容
| 対象 | 登録内容 |
|---|---|
| 技能者 | 本人情報、所属事業者、保有資格、顔写真、就業実績、社会保険・建退共加入状況など |
| 事業者 | 会社情報、建設業許可番号、社会保険・建退共加入状況、所属技能者との紐付け情報など |
■ 登録費用
登録には所定の手数料がかかります(技能者登録:2,500円(簡略型)/4,900円(詳細型)|事業者登録:資本金ごとに異なる(5年間有効))。詳細は公式サイト「ご利用方法・料金」をご参照ください。なお、登録はインターネットもしくは認定登録機関窓口にて行うことができます。
※「認定登録機関窓口」:申請書類の受け取りや記入補助を行い、本人情報や資格などが正しいかを確認し、登録ができる窓口機関(出典:(一財)建設業振興基金「認定登録機関」)
CCUSの効果と期待されるメリット
技能者側のメリット
- 保有資格や能力(CCUSカードのレベル分け)、就業実績が把握でき、キャリアの道筋が立てられる
- 働く現場にかかわらず、能力や経験に応じた適正な評価・処遇を受けられる
- 退職金(建退共)の掛金を正確に積み立てられる(出典:国土交通省「建退共のCCUS活用への完全移行」)
企業側のメリット
- 技能者の技能レベルやキャリアを把握しやすくなる
- 元請企業へのアピールに有利(公共工事入札での加点要素)
- 技能者の就業状況の確認が容易にできるほか、現場の入退場等の効率化につながる
行政書士が関わる場面とは?
建設キャリアアップシステムの登録申請を、「CCUS登録行政書士」が代理申請することができます。CCUS行政書士について、以下に簡単にご紹介します:
- CCUS登録行政書士とは、「CCUS実務講習」を受講し、CCUSホームページの名簿に載っている行政書士のこと
- 事業者・技能者の登録申請に必要な知識、CCUSに関する最新情報を把握している
- 連絡先や全国対応の可否についても、名簿上に記載がある。(参考:CCUS登録行政書士名簿(2025年6月15日現在))
外国人技能実習生や特定技能の在留資格者は、CCUSへの登録が必須となっているため、今後外国人を雇用する事業者は、「CCUS登録行政書士」に代理申請を依頼する場面が増えるかもしれません(出典:(一財)建設業振興基金「建設分野における在留資格ごとの受入基準」)。
CCUSの登録に関する参考情報
登録手続きや必要書類、申請方法の詳細については、下記の公式ページをご参照ください:
※CCUSに関する情報がYouTube上の「CCUSチャンネル(公式)」で公開されています。システム概要、その他についても分かりやすく解説されていますので、ご参照ください。
▶ 国土交通省:建設キャリアアップシステム関連資料一覧ページ
まとめ|建設業界の未来を支える「共通インフラ」へ
建設キャリアアップシステムは、単なる制度ではなく、建設業界全体の課題を解決するためのインフラ的存在となっています。
- 技能者には「適正な処遇とキャリア形成」
- 企業には「信頼性の向上と技能者の管理」
国や地方公共団体の要請により、今後も普及が加速していく流れは必至です。対応について話を聞きたい、という場合には、お気軽にご相談ください。
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投稿者プロフィール

- 神奈川県を拠点に活動する行政書士
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