
建設業許可を取ったら、それで終わりではありません。実は、毎年きちんと提出しなければならない書類があります。それが「決算変更届」です。
この記事では、建設業許可を取ったは良いものの、「決算変更届って何?どうやって出せばいいの?」という初心者の方に向けて、必要な書類や提出の流れ、注意すべきポイントを、神奈川県の例を交えてわかりやすくご紹介します。
1. 決算変更届ってどんなもの?
建設業許可を持っている事業者の方は、事業年度が終わったあと、4ヶ月以内に「決算変更届」を提出する必要があります(建設業法第11条第2項)。
この届出は、その年度の財務内容を報告するもので、経審(経営事項審査)や更新申請のときにも重要な書類となります。
2. 提出期限と提出先
- 提出期限:事業年度が終わってから4ヶ月以内(例:3月決算なら7月末まで)
- 提出先:
- 神奈川県知事許可を受けている場合 → 神奈川県県土整備局 建設業課(建設業審査担当)
👉 電子申請について
3. 提出に必要な書類は?
以下は、神奈川県における法人の場合の一般的な必要書類です。(知事許可・一般建設業)
| 書類名 | 内容 | 様式 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 変更届出書(決算報告) | 届出を行う際の表紙 | ー | ー |
| 工事経歴書 | その年度に行った工事の一覧 | 第二号様式 | 許可業種の工事名・現場住所・代金・工期を記載します。 |
| 工事施工金額 | 直近3年度の工事施工金額の一覧 | 第三号様式 | 許可業種ごとの施工金額を記載します。(許可のない業種についてもその他として記載) |
| 財務諸表 | 貸借対照表・損益計算書、株主資本等変動計算書等 | 第十五~十九号様式 | 税理士作成の決算書そのままではなく、建設業法施行規則で定める様式に書き換えが必要。 |
| 事業報告書 | 会社全体の報告書 | 任意様式 | 株式会社のみ提出 |
| 納税証明書 | 法人事業税/個人事業税の納税証明 | - | 県税事務所で取得可能 |
上表のうち、納税証明書以外の様式は神奈川県の建設業のページにてダウンロードできます。書式が一部変更されることもあるため、最新の様式を必ずご自身でご確認ください。
必要書類のダウンロード先:神奈川県のページページ「許可申請書等ダウンロード」
4. 書くときに気をつけたいポイント
✅ 工事経歴書
- 工事の名称、発注者、金額、工期などを正確に記載
- 許可業種が複数ある場合、許可業種ごとに作成
- 「元請」「下請」を明確に分けて記入
✅ 工事施工金額
- 許可業種が複数ある場合、それぞれの施工金額を3年分記載。
- たとえば、電気工事・左官工事の許可があれば、電気工事の施工金額、左官工事の施工金額を記載する。それ以外の許可のない業種の軽微な工事があれば、その他として施工金額を記載する。
✅ 財務諸表
- 建設業法の様式に合った形式で提出
- 会計ソフトや税理士作成の決算書だけでは、分からない場合(工事原価など)もあるので注意
✅ 納税証明書
- 最新年度分を取得しましょう
5. よくあるミスはここ!
- 提出期限を過ぎてしまった!
- 現時点ではペナルティはありませんが、経審や更新に影響する場合もあります。
- 特に、更新申請時には、過去の全ての決算変更届を提出している必要があるため、更新直前まで溜めてしまうのはNG。
- 決算書の作成を税理士など、外部に委託している場合、決算書ができあがるのは、決算から通常2~3ヶ月程度かかることが多いと思います。そのため、決算書をもらったら、すぐに着手しましょう。(決算変更届の提出期限:決算から4ヶ月以内)
- 工事経歴が不完全…
- 抜けや記載ミスがあると、信用性に関わることも。
- 普段から、工事名称・現場の場所・工事内容・工期(始期・終期)・施工金額については、把握できるように管理しておかないと、後々大変です。
- 古い様式を使ってしまった
- 最新の書式を使わないと差し戻されてしまうことも。
- 前年の様式をそのまま使うのではなく、必ず最新の書式を使いましょう。
(※)最新の書式:神奈川県のページページ「許可申請書等ダウンロード」
6. 提出方法(神奈川県の場合)
神奈川県では、郵送・窓口持参で提出可能です。
- 提出先住所:〒231-8588 横浜市中区日本大通33番地 神奈川県住宅供給公社ビル5階
- ご担当:神奈川県県土整備局事業管理部建設業課(建設業審査担当)
- 提出部数:正本1部・副本1部(副本は返却用)
- その他:郵送の場合には、書留(簡易書留を含む)又はレターパックプラス(赤)にて郵送し、返信用レターパック(赤または青)を同封。
神奈川県の建設業許可申請の手引き(ページ18以降)をご参照ください。
電子申請の場合には、神奈川県の「建設業許可・経営事項審査の電子申請について」をご参照ください。※操作には「GビズID」の取得など事前準備が必要です。
7. チェックリスト:提出前に確認したい7つのこと
✅ 工事経歴書に漏れはないか?
✅ 財務諸表は所定の様式で作成したか?
✅ 納税証明書は最新か?
✅ 副本と返信用封筒は用意したか?
✅ 最新の提出様式を使っているか?
✅ 提出期限を過ぎていないか?
8. よくある質問(FAQ)
Q1. 決算変更届を出さないとどうなる? → 更新申請や経営事項審査に支障が出る可能性があります。
Q2. 税理士に頼んでいる決算書でも提出できる? → 建設業様式に準じた作成が必要です。(直さなくて良いかは、財務諸表の中身次第)
Q3. 決算変更届の提出する際に窓口に払う手数料はありますか? → いいえ、新規許可申請(9万円)や更新申請(5万円)とは異なり、収入証紙等の手数料は発生しません。
9. 決算変更届の流れ
事業年度終了
例:3月末決算など
必要書類の収集
工事経歴書・財務諸表などの必要書類を収集・整理します
提出書類を作成
書類をもとに、建設業様式に準じた書類を作成します
決算から4ヶ月以内に提出
完成した正本・副本を用意し、郵送・窓口で提出します
※電子申請も可
審査・確認
審査・確認を経て、問題がなければ副本が返送されます
※窓口持参・郵送提出の場合
副本返送・完了!
副本が返ってきたら、手続き完了です!
※窓口持参・郵送提出の場合
10. まとめ|確実な届出で信頼をキープ
- 決算変更届は、建設業者としての義務のひとつです
- 毎年決算から4ヶ月以内に、必要書類をそろえて提出することが大切
- 細かい数字を取り扱う書類でもあり、他の業者も閲覧できる書類のため、慎重な作成が求められます
「ちょっと不安だな…」「書類作成が大変そう…」「納税証明書を取りに行く時間がない…」という方は、行政書士など専門家のサポートを受けるのも一つの方法です。
毎年のルーティンとして、正確な提出を続けていきましょう!
当事務所では決算変更届の提出も承っております。ご相談されたい方は、お気軽にお問い合わせください。
山口あきら行政書士事務所からのご案内

神奈川県・東京都を中心に、新規許可申請・各種届出を承っております。ご相談・お見積りは無料ですので、お気軽にご連絡ください。
当事務所が選ばれている理由
- 業界最安水準/返金保証制度:建設業許可申請 100,000円(税込)~で承ります。万が一、不許可になった場合には、費用を全額返金します。
- 無料相談・要件診断レポートのお渡し:各種相談は無料で承っております。また、要件診断レポートもお渡ししております。
- まめな進捗報告と手厚いサポート:ご依頼いただいた場合には、スケジュールや進捗状況についてまめにご報告。許可後の決算変更届や更新申請等のアフターフォローにも注力。
- 平日夜/土日祝の対応、出張相談:平日は22時まで、土日祝も対応しています。ご希望の場所への出張相談も可能です。
投稿者プロフィール

- 神奈川県を拠点に活動する行政書士
「役所の手続きって面倒でよくわからない…」そんな建設業者さまのために、スムーズでわかりやすい許可取得をサポートしています。
新規許可、更新、決算変更届など、事務負担を軽減したい方や他にもちょっと相談に乗ってほしいという方のお力になります。
現場と法律の間に立ち、信頼できる“身近な専門家”でありたいと思っています。





