建設業許可の取得条件と5つの要件を図解で解説しているイラスト画像

建設業で事業を拡大するには「建設業許可」の取得が欠かせません。しかし、許可を取得するためにはいくつかの条件や要件をクリアしなければならず、「自分は本当に許可を取れるのか?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、建設業許可の取得を検討している方向けに、許可取得に必要な条件と5つの要件、そのポイントを、わかりやすく解説します。これから許可申請を目指す方っ向けに、チェックリストとしてもご活用いただける内容です。

建設業許可の基本要件は5つ

建設業許可を取得するためには、以下の5つの基本要件をすべて満たす必要があります。どれか一つでも欠けていると申請はできません。

1. 経営業務の管理責任者が常勤でいること

許可を取得する企業には、「経営業務の管理責任者(以下、経管)」が常勤している必要があります。これは、事業を経営するための知識と経験を持った責任者であることが求められます。

▼ 要件の具体例

  • 建設業の経営に関し、5年以上の経験を有する者(個人事業主や役員として)
  • または、同等の経験を有する者

※過去の建設業許可の取得会社での経営経験の証明には、同会社の建設業許可情報の記載された書類など(許可通知書等)の提出が必要です。
※建設業許可を取得していない会社・個人事業での経営経験の証明には、登記簿(法人の場合)や確定申告書、契約書類、入金確認書類などの提出が必要です。

ポイント

経営業務の管理の経験は、取得しようとしている許可業種の事業を行っている会社の経験でなくとも良いです。つまり、建設業での経営業務の管理経験を証明できれば、本要件「経営業務の管理責任者がいること」を満たすことができます。(例:左官工事の許可を取りたい。電気工事をしている建設会社にて、過去5年以上経営業務を行っていた → 要件◎)

ポイントとしては、原則、取得しようとしている許可業種(例:左官工事、電気工事、内装仕上工事など29業種)を行っている建設事業の経験でなくとも良い、ということです。建設業の経営経験を証明できれば、本要件「経営業務の管理責任者がいること」を満たすことができます。

2. 専任技術者(営業所技術者)が常勤でいること

営業所ごとに、その業種に応じた「専任技術者」(営業所技術者)を配置することが必要です。専任技術者は、その業種の工事を適切に指導・監督できる知識・技術を持っている人です。

▼ 要件の具体例

  • 対象業種に関する国家資格(例:1級施工管理技士、2級建築士、指定業種の1級技能検定合格者など)
  • または、10年以上の実務経験

※技術者の資格証(合格証明書や免状等)や、実務経験を示す工事経歴書類(確定申告書、契約書類、入金確認書類など)が求められます。
※必要な実務経験年数は、建築学科等の学歴の有無、所持している資格(技能検定2級合格者など)等により、5年以上・3年以上など、短縮されます。
※神奈川県の対象業種に関する資格、学歴や資格に応じた実務経験年数の詳細については、[神奈川県 手引き「建設業許可申請の手引き」(令和7年度版)]の第2章4節(98ページ目以降)をご覧ください。
※特定建設業の許可を受ける場合には、更に要件が厳しくなっており、一定期間の指導監督的実務経験も求められます。

ポイント

実務経験による証明の場合、取得しようとしている許可業種の経験が必要です。例えば、過去に左官工事の職人として、建設業者に勤めていた経験があっても、電気工事の許可申請のためには、使えません。

3. 財産的基礎があること

一定の資本や資金力がなければ、安定的に工事を請け負うことは難しいとされています。そのため、財産的な裏付けも許可取得の要件です。

▼ 要件の具体例

  • 自己資本500万円以上(一般建設業の場合)
  • または、500万円以上の資金調達能力があること

※直前決算の貸借対照表、銀行の発行する預貯金残高証明書などで証明します。
※特定建設業の場合には、資本金2000万円以上など、より厳しい条件となっています。

4. 誠実性があること

建設業を適正に営むにあたり、「誠実性」も求められます。これは、契約の履行に対して誠実に取り組む姿勢と実績を意味します。法人である場合にはその役員等が、個人の場合にはその者が、請負契約に関して「不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者」ではないことが必要です。

▼ 要件の具体例

  • 過去に契約違反や重大な法令違反がないこと
  • 虚偽申請の経歴がないこと

5. 欠格事由に該当しないこと

一定の条件に該当する場合、建設業許可は取得できません。これを「欠格事由」と呼びます。

▼ 代表的な欠格事由

  • 成年被後見人・被保佐人
  • 破産して復権を得ていない者
  • 禁固刑以上の刑を受けて5年を経過していない者
  • 暴力団員やその関係者 など

要件を満たすためのチェックポイント

許可の取得を検討する場合には、まずは、次のようなポイントを確認しておくことが大事です。

  • 代表者または役員に経営業務の経験があるか?
  • 技術者の資格や実務経験の証明書類があるか?
  • 決算書や残高証明書などの資産を証明する書類が揃っているか?
  • 法令違反や契約違反の履歴はないか?
  • 欠格事由に該当しないか?

これらをひとつずつ丁寧に確認することが、スムーズな許可取得への第一歩です。

よくある勘違いと注意点

「過去に現場経験があれば大丈夫」は要注意

単に現場で働いていた経験だけでは、経営業務や技術者の要件を満たさない場合があります。経営者としての実績や工事の実務管理経験が問われるため、要件の読み違いには注意が必要です。たとえば、過去に建設会社で5年以上、一般社員として働いていたとしても、経営業務の経験があるとは言えません。

書類の不備や準備不足で審査が止まるケースも

許可申請では、多数の書類と詳細な情報が求められます。特に実務経験を証明する場合には、5年分・10年分と長期にわたる書類提出が求められ、資料が不十分だと、不許可となったり、審査が大幅に遅れることもあります。

よくあるQ&A

Q1. 建設業許可の取得にはどれくらいの期間がかかりますか?

A. 申請から許可が下りるまで、通常は30日~45日程度ですが、申請内容や自治体によって異なります。書類の不備があるとさらに時間がかかることがあります。

Q2. 専任技術者は兼任できますか?

A. 原則として、専任技術者はその営業所に常勤で勤務している必要があります。他の事業所や業務との兼任は基本的に認められていません。

Q3. 経営業務の管理責任者の経験はどのように証明しますか?

A. 建設業許可の有無によってことなりますが、許可のある会社に在籍していた期間は、建設業許可通知書や履歴事項全部証明書などで証明します。許可のない会社に在籍していた期間は、契約書・請求書・確定申告書・入金確認資料などで証明します。過去の在籍企業や事業内容に応じて、必要な書類が変わるため注意が必要です。

Q4. 個人事業主でも建設業許可は取れますか?

A. はい、可能です。ただし法人と同様に、要件(経営経験・技術者・財産要件など)を満たしていることが必要です。

Q5. 許可の更新や変更届出も必要ですか?

A. はい。建設業許可は5年ごとに更新が必要です。また、商号や役員の変更があった場合は、変更届の提出が義務付けられています。

まとめ|条件をしっかり確認して、スムーズな許可取得を

建設業許可を取得するには、形式だけでなく実質的な基準をしっかりと満たす必要があります。

「どの部分が不安か」「どの要件で証明が難しいか」など、早めに洗い出しておくことが成功への鍵です。専門家のサポートを受けながら進めることで、ミスやロスを防ぎ、確実な許可取得につながります。

当事務所では、建設業許可の要件診断から書類作成・提出代行までトータルにサポートしています。お気軽にご相談ください。

行政書士 山口

神奈川県・東京都を中心に、新規許可申請・各種届出を承っております。ご相談・お見積りは無料ですので、お気軽にご連絡ください。

当事務所が選ばれている理由

  • 業界最安水準/返金保証制度:建設業許可申請 100,000円(税込)~で承ります。万が一、不許可になった場合には、費用を全額返金します。
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投稿者プロフィール

山口 晃
山口 晃
神奈川県を拠点に活動する行政書士
「役所の手続きって面倒でよくわからない…」そんな建設業者さまのために、スムーズでわかりやすい許可取得をサポートしています。
新規許可、更新、決算変更届など、事務負担を軽減したい方や他にもちょっと相談に乗ってほしいという方のお力になります。
現場と法律の間に立ち、信頼できる“身近な専門家”でありたいと思っています。